第2章|どんなテニスクラブを選べばいいの?― スクール型とクラブ型の違いを知る ―

海外のテニスクラブ
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「通いやすさ」より、「子どもが笑顔で帰ってくる場所」を。

子どもが「テニスをやりたい!」と言ったあと、最初に親が悩むのが「どこに通わせるか」。

近所のスクール? それとも選手が多いクラブ?

実は、“どんな場所で始めるか”が、テニスを好きになる第一歩を大きく左右します。

ここでは、タイプ別の特徴や見学時のチェックポイントを、実際の例を交えて紹介します。

目次

「スクール」と「クラブチーム」は何が違う?

テニスを習う場所には、大きく分けて「スクール型」と「クラブチーム型」の2つがあります。
どちらも「テニスを学ぶ場」であることは同じですが、目的と指導のスタイルがまったく違います。

スクールは“習い事”の延長にあり、楽しみながら技術を身につける場所
一方、クラブチームは“部活動”や“育成アカデミー”のように、試合に勝つことや選手育成を目指す場です。

家庭の目的や、子どもの性格・年齢によって、どちらが合うかが変わります。

以下の表に、それぞれの特徴を整理しました。

比較項目スクール(school)クラブチーム(club/team)
目的技術の習得・運動習慣の形成試合で勝つ・選手育成
対象初心者〜中級者、幅広い年齢層競技志向のジュニア・学生・社会人
レッスン形式時間割制の「レッスン」単位。1回○○円や月謝制所属選手としての「チーム活動」。定期練習+遠征など
コーチの関わりレッスン担当制(曜日・時間ごとにコーチが変わる)専任コーチが一貫して成長を見守る
大会出場基本的には個人申込みチームとしてエントリー・遠征を計画
雰囲気習い事・レジャー的部活動・アカデミー的(競技中心)

目安

  • 「まずはテニスを楽しく続けたい」なら → スクール型
  • 「大会に出たい・本格的にやりたい」なら → クラブチーム型

特に小4〜中1の“移行期”は、スクールの中に「選手コース」や「チームクラス」があるところを選ぶと、無理なくステップアップできます

実際の施設で見る「スクール」と「クラブ」の違い

言葉だけではイメージしづらいと思います。
ここでは、日本国内の実際の施設をもとに、スクール型とクラブ型の具体的な違いを紹介します。

スクールは、スポーツクラブの一部として運営されていることが多く、レッスン時間が明確で、送迎や環境面でも安心です。

一方、クラブ型は“所属するチーム”として活動するため、練習量が多く、遠征や合宿など「競技活動」が中心になります。

区分施設名特徴
スクール型例:ルネサンス、NAS、セントラルなどスポーツクラブ併設。レベル別クラス制で“習い事”としての要素が強い。親も安心して始めやすい。
スクール型(専門)例:ミズノテニススクール、YONEXテニススクール初心者〜中級者中心だが、ジュニア強化クラスを設けている場合も。指導方針が安定しており、移行の準備に最適。
クラブ型(チーム運営)例:荏原湘南スポーツセンター(神奈川)、パームインターナショナルテニスアカデミー(茅ヶ崎)、TTC(千葉)、桜田倶楽部(東京)選手育成に特化。コーチが遠征・大会帯同までサポート。練習時間・内容ともに高度。
クラブチーム(地域拠点)例:TEAM YONEZAWA(岡山)、TEAM REC(関東各地)、NOA(全国各地)クラブ所属選手として活動。国内外大会を視野に入れたプログラムで、全国レベルの選手も在籍。

「最初はスクールで基礎を学び、“もっと頑張りたい”と感じたらクラブへ」──

このステップアップ方式が一番自然で、子どもも無理なく成長できます。

見学時に確認したい“3つのポイント”

どんなに情報を集めても、最終的には「現場で感じる空気」が一番の判断材料です。
体験レッスンや見学時には、次の3つを意識して見てみましょう。

1️⃣ 子どもたちの表情
 笑顔や活気があるか。失敗しても楽しめる雰囲気があるか。

2️⃣ コーチの関わり方
 技術だけでなく、心の成長を見てくれているか。
 目線を合わせ、名前で呼び、肯定の言葉をかけているか。

3️⃣ 安全と環境面
 コート整備・送迎・保護者スペースなどが整っているか。
 特に低学年は、“通いやすい距離”と“安心できる環境”が続けるカギになります。

費用と継続のバランスを考える

スクールもクラブも、料金は地域や運営形態で大きく変わります。
ここでは大まかな目安を紹介します。

項目スクール型クラブ型
月謝6,000〜12,000円前後10,000〜25,000円前後+大会費・遠征費
回数週1〜2回のレッスン週3〜5回の練習+試合帯同あり
追加費用ラケット・シューズ・ボール代など登録費・合宿・トレーナー費など

💡ポイント

  • 「費用」よりも「子どもが楽しそうに通っているか」で判断する。
  • 半年ごとに家庭の状況を見直す。
  • 子ども自身が「行きたい」と言うことを一番大切に。

“好き”が続く場所を選ぶ

国際テニス連盟(ITF)のジュニア育成指針では、

“最初の段階では、勝つことよりも、テニスを好きになることが何より大切”
と明記されています(引用元:ITF, 2022/Junior Pathway Guidelines)。

親が見るべきは、強さよりも「笑顔の多さ」

技術や施設より、「ここならこの子が伸び伸びできそう」と感じる場所こそが、いちばんの選びどころです。

スクールは“始める場所”、クラブは“伸ばす場所”。

最初から完璧を目指さず、子どもの成長に合わせて環境を選び変えていくことで、長くテニスを楽しめます。

迷ったときは、「どこで一番笑ってラケットを振っているか」を見てあげてください。

学校のテニス部に入るという選択肢もある

実は、テニスを始めるきっかけとして「学校の部活動」もとても良い選択です。

特に中学校や高校に部活がある場合は、費用負担が少なく、友達と一緒に取り組めるという大きな利点があります。

部活動の魅力は、なんといっても「仲間と一緒に上達できること」。

スクールやクラブが“個人レッスン”の要素を持つのに対し、部活動は“チームとして学ぶ場”です。
協調性やリーダーシップを学ぶには最適の環境です。

比較項目学校テニス部スクール・クラブ
目的楽しく活動しながら技術を学ぶ/仲間づくり技術・競技力の向上を目的にした専門指導
指導者教員顧問(専門外のケースも多い)専門コーチが体系的に指導
練習環境学校内のコート(クレーやオムニが中心)専用コート・室内施設あり
費用部費・用具代のみ(年間1〜3万円程度)月謝・大会費・遠征費がかかる
大会参加学校単位で団体戦・個人戦に出場個人・チームで公式大会に出場可能

こんな子におすすめ

  • 仲間と一緒に練習するのが好きな子
  • 費用を抑えてテニスを体験したい家庭
  • 競技志向よりも「まずは学校生活の一部として楽しみたい」子

スクールやクラブとの“かけもち”もOK

実は多くのジュニアが、「部活+スクール(またはクラブ)」の併用スタイルで活動しています。
平日は学校で部活、週末は専門コーチの指導で技術を磨く──この形が最もバランスがよく、
楽しみながらも確実に上達できます。

特に、部活動では「練習メニューが限られる」「専門コーチがいない」という環境も多いので、
スクールやクラブを“補習塾”のように使うのも一つの方法です。

「部活か、スクールか」と迷ったら、“両方を体験してみる”のがいちばん。

学校の友達と過ごす時間も、テニスの上達に必要な“心の栄養”です。

部活を通じて育つ力

部活の良さは、「勝ち負け」よりも「人との関わりの中で成長できること」。

国際テニス連盟(ITF)のレポートでも、“社会性・チームワーク・責任感”がスポーツ参加によって育まれることが報告されています(引用元:ITF, 2023/Social Benefits of Tennis Participation)。

テニスを通して「ありがとう」「次、がんばろう」と言えるようになる──
それも立派な“上達”の形です。


まとめ

テニスを学ぶ道は一つではありません。ス

クール、クラブ、そして学校の部活動──それぞれに良さがあり、家庭や子どもの性格に合わせて選べばいいのです。

大切なのは、「テニスが好き」という気持ちを失わないこと。
どんな形でも、その笑顔を守れる環境こそが“正解”です。

引用元:

  • ITF (2022). Junior Pathway Guidelines.
  • ITF (2023). Social Benefits of Tennis Participation.
  • 各スクール・クラブ公式情報(2025年時点)
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