“一人ひとりのテニス人生”が、ひとつの番号でつながる時代へ。
2026年度から、日本テニス協会(JTA)が新たに導入する「JTAマイナンバー(JPIN)プロジェクト」がスタートします。
これまで大会や登録がバラバラだった仕組みを一元化し、選手一人ひとりの“テニスの軌跡”を生涯通して管理できるようになります。
ジュニア世代の保護者にとっても、手続きがシンプルになり、子どもの成長をより見える形で応援できる新しい仕組みです。
「JPIN」とは? 〜テニス版マイナンバー制度〜
JPINとは、「JTA(日本テニス協会)が新たに導入する個人識別番号制度」です。
これまで「ジュニア」「一般」「ベテラン」などカテゴリーごとに分かれていた登録情報を、ひとつのアカウントで生涯管理できるようにするもの。
つまり、ジュニア期からプロ、ベテランまで、すべての試合結果やランキングがひとつの番号(JPIN)でつながる仕組みになります。
全国ランキングが「自分の記録」になる
これまで大会ごとに分散していたポイントや成績が、JPINを通して自動的に統合され、全国ランキングとして反映されます。
ジュニア大会での実績も、将来の一般・プロ登録時に引き継がれるため、長期的な競技記録の管理が可能になります。
保護者の方にとっても、子どもの「努力の軌跡」を一目で見られるようになるのは大きな変化といえるでしょう。
一方で、府県大会の結果がすべて全国ランキングに反映されるわけではありません。
JTAは都道府県協会から試合データを受け取る仕組みを整備中で、今後、どの大会が「全国ランキング対象大会」となるかは順次公表される予定です。
お子さまが出場する大会が対象になるかどうかは、主催団体(都道府県協会やクラブ)に確認することをおすすめします。
大会・登録手続きがデジタル化
JPIN導入により、これまで紙で行われていた手続きが大幅にオンライン化されます。
■改革の3つの柱
①大会申請制度のシステム化
②選手登録制度のJPIN統合
③所属先団体登録のシステム化
特に、ベテラン選手登録はオンラインで完結できるようになり、FAXでの提出が不要になります。
「プレーヤーゾーン」という専用サイトから、大会申請・エントリー・結果確認がすべて行えるようになります。
大会情報の検索がもっと便利に
リニューアル予定のJTA公式サイトでは、翌年度の大会情報がフィルター検索で簡単に探せるようになります。
大会カテゴリー(ジュニア・一般・ベテランなど)、開催月、開催地、そしてフリーキーワードでも検索可能に。これまで情報が見つけにくかった大会も、よりスムーズに探せるようになります。
遠征計画や大会選びが格段に便利になることは、保護者にとっても大きなメリットです。
料金体系の見直しと新しい大会形式
2026年度から、大会承認料や選手登録料も新体系に移行します。
ジュニア選手登録料は年間1,100円(税込)(2027年度から適用)。
また、全国から誰でも参加できる「ジュニアオープン大会」も2026年4月からスタートします。
地域の枠を超えてチャレンジできる大会が増えることは、選手の成長機会を広げることにつながります。
“50年先のテニス界”へ、次の一歩
JTAは今回の改革を、「これからの50年、100年先を見据えた強固な土台作り」と位置づけています。
デジタル化による利便性向上だけでなく、選手の成長を生涯にわたって見守る仕組みづくりが目的です。
テニスが「その瞬間だけの記録」ではなく、「人生を通じたストーリー」として積み重なっていく――
JPINプロジェクトは、その第一歩となる大きな改革です。

