親が知らないと危険。強くなる子ほど近づく“怪しいDM”の正体|ITIA報告書が示す危険①

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才能が見え始めた子ほど、“善意に見える接触”には注意が必要です。

ジュニア選手が結果を出し始めると、SNSのフォロワーや外部からの接触が増えていきます。

それは応援だけではありません。

国際テニス・インテグリティ機関(ITIA)の2025年年次報告では、不正接触や賭博・八百長を含む不正行為関連の相談が寄せられていました。

国内外で活躍を目指すジュニア選手にとって、他人事ではありません。

目次

“怪しいDM”は、突然やってきます

「スポンサーに興味はありますか?」
「試合前に少し話せませんか?」
「あなたの将来を応援したいです」

こうした言葉で始まるDM(ダイレクトメッセージ)は、一見すると好意的に見えます。ですが、その目的が純粋な応援とは限りません。

ITIAは2025年、選手・コーチ・関係者向けの相談窓口 「The Line」 を新設しました。
これはWhatsAppで直接相談できる公式窓口です。

報告書によると、開始後まもなく 54件の連絡 があり、その中には 「不正な接触の報告(Reporting a corrupt approach)」 も含まれていました。

例えば、

  • 試合情報を聞き出そうとする接触
  • 勝敗に関する働きかけ
  • 八百長を含む不正行為への誘導が疑われる接触
  • 賭博目的と疑われる連絡
  • 不審人物からの接触相談

こうしたことが、実際のテニス界で起きているということです。“気をつけましょう”ではなく、現実に相談案件が発生しているのです。

強い選手ほど狙われる理由は、情報価値が高いから

なぜ有望ジュニアが狙われるのか。理由はシンプルです。

① 試合情報に価値がある

  • ケガしているか
  • 出場予定か
  • コンディションは悪いか
  • モチベーションは高いか

こうした内部情報は、外部から見えません。
だからこそ価値があります。

② 将来のトップ候補に先回りしたい

まだ無名でも、コーチ・関係者の間では知られているジュニアはいます。
その段階で接点を作ろうとする人もゼロではありません。

③ 若い選手は警戒心が低い

親切な言葉、応援メッセージ、英語での称賛。
これだけで信用してしまう年代です。

ITIAは年次報告の中で、個人ではなく組織的な犯罪ネットワークによる不正リスクにも触れています。単なる迷惑DMではなく、背景に利益目的の構造がある場合もあるのです。

保護者が知っておきたい“危険サイン”

以下のようなDMや連絡は注意が必要です。

  • 会ったことのない大人から急に親しげな連絡が来る
  • 「次の大会出る?」「ケガは治った?」と聞かれる
  • スポンサー・支援・遠征協力を急に持ちかけられる
  • 「親には言わなくていい」と言われる
  • 本人とだけ直接やり取りしたがる
  • 返信を急かす、断ると態度が変わる

特に未成年選手は、相手が優しそうに見えると警戒しにくいものです。
だからこそ、大人の確認が必要になります。

家庭でできる“デジタル安全教育”

SNSを禁止するだけでは、子どもは守れません。
大切なのは「困ったらすぐ相談できる家庭環境」です。

家庭で決めるべき3つのルールは下記です。

ルール① DMは“返信前に共有”

本人判断で返させないこと。
見せたら怒られる家庭環境だと、隠れてやり取りが始まります。

ルール② 大人案件は親を通す

スポンサー、遠征支援、イベント招待、コーチング依頼。
未成年選手に直接来る話は、すべて保護者経由が基本です。

ルール③ 情報を出しすぎない

  • 今どこにいるか
  • 明日の試合時間
  • ケガ情報
  • 移動日程
  • ホテル情報

これは競技情報でもあり、個人安全情報でもあります。

本当に怖いのは“悪人”ではなく“普通に見える人”

多くの保護者は、危険人物を派手に想像します。
ですが実際には、

  • 丁寧な文章
  • 業界っぽい肩書き
  • テニスに詳しい
  • 日本語や英語が自然
  • 最初は何も要求しない

こうした“普通に見える人”の方が注意が必要です。

ITIAが相談窓口や教育プログラムを強化している背景には、見抜きにくい接触が増えている現実があります。

本当に守りたいのは、才能より安心です

ジュニア期は、夢に向かって大きく伸びる時期です。
同時に、社会経験がまだ少なく、大人の言葉を信じやすい年代でもあります。

だからこそ保護者には、練習や試合の送迎だけでなく、見えない危険から守る役割があります。

これからの時代、デジタルリテラシー(ネット上で自分を守る力)がとても重要な要素となります。

才能ある子ほど、世界との距離は近づきます。
だからこそ保護者が先に学び、家庭で備えておくことが大切です。

引用元

International Tennis Integrity Agency, Annual Review 2025

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