14歳以下の国別対抗戦「ワールドジュニア」(World Tennis 14&U Junior Team Finals)が、8月3日から8日までチェコ・プロスチェヨフで開催されました。
男女各16か国が世界一を争ったこの大会で、日本女子(岩佐綾香・奥山し渚・佐藤実莉)は準優勝・世界2位。決勝でイタリアに1-2と惜敗したものの、準々決勝・準決勝と2日連続の「ダブルス決着」を制して頂点まであと1本に迫りました。
男子(安居院虹斗・安居院咲空・オトリエ龍馬)は順位決定ラウンドを3連勝で駆け抜け9位。この記事では、6日間の全戦績・全スコアと大会の総括をお届けします。
▼ シリーズのこれまで
大会結果サマリー
| 日本女子 | 準優勝(世界2位) 決勝でイタリアに1-2 |
|---|---|
| 日本男子 | 9位 順位決定ラウンド3連勝(インドネシア・フランス・カナダ) |
| 優勝 | 女子:イタリア/男子:スイス |
| 大会 | 2026 World Tennis 14&U Junior Team Finals(8/3〜8/8・チェコ/プロスチェヨフ・クレー) |
女子総括|「ダブルスの勝負強さ」で世界2位
日本女子の6日間を貫いたキーワードは、ダブルスの勝負強さでした。グループステージを2勝1敗の2位で通過すると、準々決勝ウクライナ戦は1-1からのダブルスを岩佐/奥山組が勝ち切り、準決勝アメリカ戦もまた1-1からのダブルスを7-6(2), 6-3。2日連続の「決着ダブルス」をものにして、日本女子は決勝の舞台に立ちました。
決勝の相手は、グループステージで1-2と惜敗したイタリア。第1試合を落とし、奥山し渚選手が2時間20分の激闘をフルセットで制して1-1。3日連続となる決着のダブルスは、第1セットを7-6(6)で先取しながら、最後はマッチタイブレーク[4-10]——世界一まであと1本のところで、涙をのみました。
それでも、エース岩佐綾香選手のシングルスでの安定感、シングルスで敗れた直後にダブルスで勝ち切る奥山選手の切り替え、グループステージで白星を挙げた佐藤実莉選手の働きと、3人がそれぞれの形でチームに勝利を持ち帰った大会でした。昨年11位からの世界2位は、日本女子ジュニアの大きな前進です。
女子・全戦績
| 日付 | 対戦 | 個人成績(○=勝利/●=敗戦) |
|---|---|---|
| 8/3(月) | ○2-1 インド グループD | 岩佐綾香 ○6-1, 7-5 奥山し渚 ●5-7, 3-6 岩佐/奥山 ○6-3, 6-1 |
| 8/4(火) | ○3-0 モロッコ グループD | 岩佐綾香 ○6-0, 6-0 奥山し渚 ○6-2, 6-0 岩佐/佐藤 ○6-4, 6-0 |
| 8/5(水) | ●1-2 イタリア グループD | 岩佐綾香 ○6-2, 3-6, [10-6] 奥山し渚 ●6-4, 2-6, [7-10] 岩佐/佐藤 ●6-7(3), 5-7 |
| 8/6(木) | ○2-1 ウクライナ 準々決勝 | 岩佐綾香 ○7-5, 6-1 奥山し渚 ●7-5, 4-6, 4-6 岩佐/奥山 ○6-2, 7-5 |
| 8/7(金) | ○2-1 アメリカ 準決勝 | 岩佐綾香 ○6-3, 6-4 奥山し渚 ●7-5, 2-6, 2-6 岩佐/奥山 ○7-6(2), 6-3 |
| 8/8(土) | ●1-2 イタリア 決勝 | 岩佐綾香 ●4-6, 2-6 奥山し渚 ○6-1, 0-6, 6-3 岩佐/奥山 ●7-6(6), 3-6, [4-10] |
男子総括|初戦黒星から3連勝、経験値を積んだ9位
予選4連覇で臨んだ日本男子は、初戦でブルガリアに0-3。しかし3試合中2試合がマッチタイブレークにもつれる、スコア以上に紙一重の内容でした。ここから男子の巻き返しが始まります。
2戦目のスイス戦は、初日にあと2ポイントまで迫りながら敗れた安居院兄弟のダブルスが雪辱の[10-4]で決着をつけ2-1。3戦目のモロッコ戦は兄弟がそろってマッチタイブレークを制して3-0の完勝でした。
グループAはスイス・ブルガリア・日本の3チームが2勝1敗で並ぶ大混戦となり、規定の計算で日本は惜しくも3位。準々決勝進出はなりませんでしたが、順位決定ラウンドではインドネシアに2-0、フランスに2-0、最終日はカナダに2-0と3連勝。6日間で実に7試合がマッチタイブレークにもつれる激戦を戦い抜き、9位で大会を締めくくりました。
兄弟そろっての代表入りが話題となった安居院虹斗・咲空の両選手は、シングルスでもダブルスでも大会を通じて成長を見せ、オトリエ龍馬選手も初日のマッチタイブレークの惜敗から団体戦の重圧を経験。この悔しさと経験値こそ、この年代で国別対抗を戦う最大の意味です。
男子・全戦績
| 日付 | 対戦 | 個人成績(○=勝利/●=敗戦) |
|---|---|---|
| 8/3(月) | ●0-3 ブルガリア グループA | 安居院虹斗 ●3-6, 3-6 オトリエ龍馬 ●4-6, 6-4, [3-10] 安居院虹斗/咲空 ●4-6, 6-3, [12-14] |
| 8/4(火) | ○2-1 スイス グループA | 安居院咲空 ●2-6, 0-6 安居院虹斗 ○4-6, 6-4, [10-7] 安居院虹斗/咲空 ○4-6, 6-1, [10-4] |
| 8/5(水) | ○3-0 モロッコ グループA | 安居院咲空 ○6-0, 4-6, [10-6] 安居院虹斗 ○7-6(6), 2-6, [10-8] 安居院/オトリエ ○6-3, 7-5 |
| 8/6(木) | ○2-0 インドネシア 順位決定R | 安居院咲空 ○6-0, 6-1 安居院虹斗 ○6-4, 6-0 ※シングルス2勝で勝利決定 |
| 8/7(金) | ○2-0 フランス 順位決定R | 安居院咲空 ○6-4, 7-5 安居院虹斗 ○7-6(4), 6-3 ※シングルス2勝で勝利決定 |
| 8/8(土) | ○2-0 カナダ 9位決定戦 | 安居院咲空 ○6-3, 4-6, [11-9] 安居院虹斗 ○6-1, 6-3 ※シングルス2勝で勝利決定 |
日本代表メンバー
女子(準優勝・世界2位)
| 選手 | 所属 |
|---|---|
| 岩佐綾香 | 桜田倶楽部 |
| 奥山し渚 | ITSベルズ |
| 佐藤実莉 | 町田ローンジュニアアカデミー |
女子は4月のアジア/オセアニア最終予選(マレーシア・クチン)を全勝で制し、3年ぶりの予選王者としてファイナルズへ(出場は6年連続)。昨年の11位から一気に世界2位まで駆け上がりました。
男子(9位)
| 選手 | 所属 |
|---|---|
| 安居院虹斗 | ARROWS TENNIS SCHOOLS |
| 安居院咲空 | ARROWS TENNIS SCHOOLS |
| オトリエ龍馬 | Team Rise |
男子はアジア/オセアニア予選4連覇の王者として、5年連続のファイナルズ出場。ウィンブルドン14歳以下準優勝のオトリエ龍馬選手に加え、安居院兄弟の同時代表入りが実現。兄弟ペアのダブルスは初日の[12-14]の悔しさを翌日の[10-4]で晴らすなど、大会を象徴する存在になりました。2人はともにARROWS TENNIS SCHOOLSで、父の指導のもと腕を磨いてきました。
🇯🇵 大会期間中の速報アーカイブ
大会期間中に日次で更新していた速報です(新しい日付順)。
8月8日(土)大会最終日——女子は世界2位!男子は9位で有終の美
【女子】日本 1-2 イタリア(決勝)
岩佐綾香選手は4-6, 2-6で先勝を許しましたが、奥山し渚選手が6-1, 0-6, 6-3——2時間20分の激闘を制して1-1に追いつきます。運命のダブルスは、岩佐/奥山組が第1セットを7-6(6)で先取。しかし第2セットを3-6で取り返され、決着のマッチタイブレークは[4-10]。世界一まであと1本のところで、惜しくも届きませんでした。
【男子】日本 2-0 カナダ(9位決定戦)
安居院咲空選手が6-3, 4-6, [11-9]の大接戦をものにすると、安居院虹斗選手も6-1, 6-3で続き、シングルス2勝で勝利。3連勝で9位を確定させました。
8月7日(金)女子、決勝進出!——アメリカとの激闘を制す
【女子】日本 2-1 アメリカ(準決勝)
岩佐綾香選手が6-3, 6-4で先勝。奥山し渚選手は7-5, 2-6, 2-6で惜しくも敗れて1-1となりましたが、決勝進出を懸けたダブルスは岩佐/奥山組が第1セットのタイブレークを7-6(2)で制し、第2セットも6-3。2日連続のダブルス決着を勝ち切りました。
【男子】日本 2-0 フランス(順位決定ラウンド)
安居院咲空選手が6-4, 7-5、安居院虹斗選手も7-6(4), 6-3。兄弟がそろってシングルスで勝ち切り、連日の白星です。
8月6日(木)女子は準々決勝を制してベスト4進出!男子も快勝
【女子】日本 2-1 ウクライナ(準々決勝)
岩佐綾香選手が7-5, 6-1で先勝。奥山し渚選手は2時間56分の激闘の末7-5, 4-6, 4-6で惜敗して1-1。ベスト4を懸けたダブルスは岩佐/奥山組が6-2, 7-5で勝ち切りました。
【男子】日本 2-0 インドネシア(順位決定ラウンド初戦)
グループAは3チームが2勝1敗で並び、規定の計算により日本は3位。順位決定ラウンド初戦は安居院咲空選手が6-0, 6-1、安居院虹斗選手が6-4, 6-0と兄弟そろって完勝しました。
8月5日(水)グループ最終日——男子は完勝、女子は激闘の末の惜敗
【男子】日本 3-0 モロッコ(グループ2勝1敗で終了)
安居院咲空選手が6-0, 4-6, [10-6]、安居院虹斗選手が7-6(6), 2-6, [10-8]と、兄弟がそろってマッチタイブレークを制してシングルス2連取。ダブルスも安居院/オトリエ組が6-3, 7-5で勝ち切りました。
【女子】日本 1-2 イタリア(グループ2勝1敗・2位)
岩佐綾香選手が6-2, 3-6, [10-6]で先勝するも、奥山し渚選手は6-4, 2-6, [7-10]で惜敗し1-1。決着のダブルスは岩佐/佐藤組が6-7(3), 5-7——2時間18分の激闘に、あと一歩届きませんでした。日本はグループ2位で順位決定ラウンドへ。
8月4日(火)2日目——男女そろって白星
【女子】日本 3-0 モロッコ(2連勝)
岩佐綾香選手が6-0, 6-0、奥山し渚選手が6-2, 6-0とシングルスを危なげなく連取。ダブルスは岩佐/佐藤組が6-4, 6-0で締め、佐藤実莉選手も今大会初出場で白星を飾りました。
【男子】日本 2-1 スイス(今大会初勝利)
安居院虹斗選手が4-6, 6-4, [10-7]のフルセットで今大会シングルス初勝利。決着のダブルスは安居院兄弟ペアが4-6, 6-1, [10-4]——初日にあと2ポイントまで迫りながら敗れた兄弟が、一夜明けて雪辱を果たしました。
8月3日(月)初日の結果
【女子】日本 2-1 インド(白星スタート)
岩佐綾香選手が6-1, 7-5で先勝し、奥山し渚選手は5-7, 3-6で惜しくも敗れて1勝1敗。勝敗を決めるダブルスは岩佐/奥山組が6-3, 6-1と危なげなく制しました。
【男子】日本 0-3 ブルガリア(初戦は黒星)
安居院虹斗選手は3-6, 3-6、オトリエ龍馬選手は4-6, 6-4, [3-10]のマッチタイブレークで惜しくも届かず。安居院兄弟ペアのダブルスも4-6, 6-3, [12-14]。3試合中2試合が最終セットにもつれる、スコア以上に紙一重の初戦でした。
この大会の先にあるもの
ワールドジュニアを経験した選手たちは、この後ITFジュニア(18歳以下の国際ツアー)へと戦いの場を移していきます。過去の出場者には、のちに世界の頂点に立った名前も並びます(大会の歴史と輩出選手は第1回で詳しく解説しています)。
今大会で世界2位・9位を戦った6人が、次にどの舞台で名前を見せてくれるのか。そして9月には、日本で世界のトップジュニアが見られる世界スーパージュニア(9/21〜27・大阪)もやってきます。
日本ジュニアテニスの夏から秋は、まだまだ続きます。
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出典・参考:
・大会公式ライブスコア(LIVESCORE Českého tenisového svazu)/大会公式Order of Play(wjtf.cz)
・ITF公式:2026ファイナルズ男子出場チーム発表/同・女子出場チーム発表
・日本テニス協会:ワールドジュニア(14才以下)
・テニスマガジンONLINE:男子アジア/オセアニア最終予選 日本4連覇/同・女子 3年ぶり優勝
スコアは大会公式ライブスコアに基づいています(2026年8月8日大会終了時点)。最終順位・確定結果はITF公式の発表もあわせてご確認ください。

